米国でスーパー(グローサリー)の一番激戦地は南カリフォルニアだ。
統計に出てこない不法移民が何と160万人もいるし正規の人口も多い。
そしてみな食べないと生きていけないからどこかのスーパーで買い物をする。
ロスは米国一の消費地だ。
この激戦地で今年は後世まで語り継がれる出来事があった。シアトルのあるワシントン州にある田舎町Bellinghamから突如出てきて
わずか9ヶ月後にカリフォルニアから撤退したHaggenというスーパーだ。
あまりにも短いカリフォルニア市場侵攻で敗れあえなく退参した。
先ず現在のカリフォルニア市場構成は下記のようになる。
No.1 Ralph ーー-368店舗 (明治5年設立のロサンゼルスのスーパーの草分け)
No.2 Von’s/Safeway ーー-267店舗
No.3 Albertsonsーーーーー215店舗
No.4 Stater Brothers ーー-168店舗
No.5 Smart&Final ーーーー-141店舗
No.6 TraderJoe’s ーーーー-113店舗
その他として日本、韓国、中国、Mexico、India などを含むエスニックスーパーが大小含め553店舗。
さらにコンビニスーパーが267店舗、巨大衣料販売店の食品販売進出として
Wal-Martーーー130店舗、Target ーー-86店舗、K-Mart (Searsの親会社)ーーー84店舗
とひしめく中でインターネットだけで注文を取り配達する大手、Amazon Freshや OpenTaste.comなど13社、
これ以外にも99セントストアー(100円ショップの元祖)やBigLotも食品をどんどん扱いだした。
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そもそものこの騒動の起こりは地元で大きなVonとSafeway(昔はカリフォルニアでNo.1でロンドンにもあった巨大スーパー)
とAlbertson'sの合併申請から起こった。合併すると超巨大なスーパーになり独禁法に触れるので当局は164店舗を他社の売却すべし
との指示があった。その為あまり採算効率の良くない店舗を売り出し、これに手を挙げたのが小さい田舎町のわずか18店舗のHaggenだった。
18店舗の店が164の店を買収したのはまさに鯛が鯨を食べようとしたものだ。飲み込む相手が大きすぎたのだ。
資金の調達が難しく売上も初めは芳しくなく昨年12月に決めたこの世紀の買収も今年の6月にすでに
27店舗(ネバダ州とアリゾナ州も含む)を資金難で手放した。そして社長以下取締役はみな首になった。
そして9月の初めに会社更生法適用申請そして9月25日に激戦地カリフォルニア市場から完全に撤退を
発表した。今後はオレゴンとワシントン州にある37店舗で営業をつずけるそうだ。
18店舗から164店舗、そして今後は37店舗で行くのだ。
こんな南カリフォルニアの激戦地でもまだまだ魅力の市場だという”懲りない”連中がいる。
1。ドイツのディスカウント、スーパーチェーンですでに米国32州でなんと既に1,500 店舗がある
Aldiという会社だ。たぶんHaggenの処分する店を叩いて買う可能性がある。
2。高級グローサリーであるWhole Foods は365というブランドのディスカウント店を展開する
3。Grocery Outlet Bargain Marketという大きい米国のディスカウントチェーン も市場進出を計画している。
Haggen の モットーは High Quality な食品を安く!という当たり前のことだった。
しかしこれが出来ないで皆失敗するのだ!
Mike Yamamoto