変わる衛星Business ! / by Toshi Chino

前会ロスの下町ロケットの打ち上げ屋の話をしたが今回はその打ち上げ屋が打ち上げる人工衛星の小型化の話からスタートする。
従来の人工衛星は大きくて大型のバスのサイズが多く、それをLow Orbit に打ち上げている。ここは空気がほぼないが全然ないところではない。しかし地球の引力がまだ強いところなので何年でも地球を回る事が出来る。
しかし少しずつ希薄の空気の抵抗を受け、永久運動とはならずに10年ー20年後にはどんどん地球の表面に近ずきいずれ大気圏に突入して燃えてなくなる。しかし利点もある。地球の引力が強いので軌道のコントロールがし易い点だ。
だから新しい衛星を打ち上げないと今までのサービスの継続ができない。

この大型衛星の注文がどんどん減って来ている。今年28個の大型静止衛星ーーー地球が自転しているのでその自転のスピードで地球を回る衛星で、地上から見るといつも同じ場所にいるタイプーーーを近くのSpace X を打ち上げる計画で既に10回目の打ち上げを今年終わっている。しかし来年の注文は20個ぐらいだという!
さらにコストを下げるために今月は6個の小さい人口衛星を一度に打ち上げた。そして違った高度とスピードの各衛星をそれに応じて宇宙に放出するので、打ち上げは一度で安く済ませるが各衛星の放出のコントロールに高度の技術が要る。
国防省の軍事大型衛星は敵国の地上からの衛星Killerにやられるのを考慮して、High Orbitで大型バスサイズを打ち上げる。ここは全く空気がない地球の超上空だが地球の引力も薄く、その引力で回るのだが月の引力も考慮したり、太陽との公転も考慮し、もしエラーが起こると地球から離れて太陽系を永遠にさまようことになる。ということは全ての投資コストが無駄になるのだ。
しかし最近は小さくても性能の良い人工衛星がどんどん出来、大型衛星一個の役割を数個の小型衛星で果たすことになった。日本のSKY perfect JSAT Corp.もWashington DC.のLeoSatという子会社経由で小型高級人工衛星を売り出した。三井物産や三菱商事も小型衛星Businessに動き出した。
過去に打ち上げた300、000個ぐらいの人工衛星群はほとんど98%がLow Orbitタイプでいずれ地球に燃え尽きて落ちるのだがこれのReplacementと新たなInternet関連の用途が生み出されたので高性能の小型衛星のメーカーも出て来たのだ。
打ち上げ屋はいかに同時にロケット基地からまとめて打ち上げるか?を競っているがそれを脅かす競争会社が出て来た。
ロスとラスベガスの間にあるモハビ砂漠の一角でいま試験飛行をしているのは大型相胴の巨大な飛行機で片方に3個もJet Engineがついている。Seattle に本社がある StratoLaunch 社だ。この飛行機でロケットを成層圏まで運び、そこから人工衛星を発射して軌道に載せるのだ。
Vector というArizonaの会社も地上から巨大エンジン付きのジェット機でロケットを成層圏に運び、そこからロケットを発射して人工衛星を打ち上げる。ロケットの打ち上げは政府の許可を受けた限られた場所からの打ち上げだが、航空機はどこのエアポートからも離陸できる。
人工衛星自体が小さくなり、そのためロケットも大型は不要になり航空機で成層圏まで運ぶと、どこからでも簡単に小型衛星が打ち上げられるのだ。いかに安く衛星を作り、これをいかに安くこれを打ち上げられるか?
ますます厳しい競争が今後も続きそうだ!

Mike Yamamoto