Kobe Beef - 6|7|2016 / by Toshi Chino

最近米国でも Kobe Beef の知名度が高まった。
と言うのも4年前の2012年に和牛の輸出が解禁されたからだ。

どんな日本の産地からのBeefでもKobe Beefと言っている米国だが
正確にはKobe Beefとは但馬牛だけなのだ。日本の最高級Beefは神戸、松坂、
そして彦根藩があった近江牛あるいは山形の米沢牛と言ってこれを日本3大和牛という。

さらに米国にはAmerican Kobe BeefとかKobe Style Beefとか和州牛と言うのがある。
呼び名は違うが皆オスの和牛とメスの米国のAngus 牛との交配で生まれた牛の肉だ。

江戸末期の幕末時代に英国人が農耕用の神戸地方の和牛を食べたら美味しかったのでこの名前が生まれたとされる。
日本人は当時食肉ご法度の時代だったのでBeefの味を知らなかった時だ。

和牛ブーム(主にアメリカ、ヨーロッパそして中国の富裕層)での関心事は和牛の格ずけだ。

A、B&CというBeefの柔らかさのランクの中に1から5までの段階がある。(Aー5, Aー4、Bー5,Cー5 etc.)
Aの5段階で最高級はA5、BとCも同じように5段階でB5とC5がそれぞれのランクで最高だ。

面白いのは米やお酒が”うまい”という評価で等級が決められるがBeefは肉の柔らかさと、いかにサシ(牛脂)が入っているのか?で決まる。
だからA5、B5そしてC5は一番牛脂という霜降り(マーブル)が入っているということだ。

一般にステーキは色々な調味料を加味して料理し、食べるので”うまい”という判断はBeefそのものの味だけでは決められないのだそうだ。

さらに日本の高級精肉店では各Beefに番号をつけているところもある。

しかしこの番号は何も高級とかでなくこの番号をあるサイトに入れると
どこの牛舎でいつ屠殺されたかの情報がわかるための生産者のSerial Numberだ。
狂牛病騒ぎや果たして産地偽装なのか?をチェックするには便利だがそれだけで等級には関係ない。

日本産として売られている牛の肉が全てWagyu Beefというのも間違いだ。
純粋の和牛の肉は日本で牛肉全体の約半分の50%で残りはホルスタインのような乳牛の肉が30%と乳牛と和牛の
交配した純粋でない日本の牛が20%存在している。

乳牛やその他の雑種の牛の肉も屠殺して日本国内に売られているし、米国やオーストラリア産の輸入Beefも日本で売られているが
これらには等級がない。

日本から主に輸出しているのは純粋の和牛種のBestであるA5からA1クラスだ。もちろん日本でもA5からA1クラス、あるいはBやCクラスは
高級料理店で消費される。

和牛協会のコメントとしてA5はすき焼きやしゃぶしゃぶのような野菜にサシがブレンドして美味しさを増す料理に向いているし、
ステーキにはサシの少ない A4 かA3 クラスが 一番で、煮込む牛肉にはA2かA1でも驚くほど美味しいとのことだ。

BとCクラスは消費者にはわからないほど微妙な肉質での甲乙だそうで、従ってどこでも精肉店ではA5以外は
A4からCの1まで等級を表示してなく、等級はむしろ値段に反映しているという。

和牛を迎え撃つ米国では Prime Angus Beef に長期冷凍乾燥(Dry Aging)という加工をして牛肉そのものの深い味をを引き出す
システムが数年前から出てきた。

メニューにはDry Aged 21 Dayとか書いてある。米国で屠殺した高級な肉を最低15日から
最高35日ぐらいまで屠殺場にある冷凍に近い温度の冷凍庫に市場に出す前に保管するのだ。
これをすることにより牛肉本来のうまさが凝縮され、さらに柔らかくなるそうだ。表面にカビ状の麹みたいのが出来
それをレストランで焼く前に取り去るが、これが又うまさを増すという。

しかしDry(乾燥)させるので重量は軽くなり、準冷凍にお金がかかることもあって現在は高級レストランとWagyuを
販売している高級肉店だけに出しているそうだ。値段も経費がかかり肉自体水分がなく軽いので重さで肉を売る
肉屋ではとても値段が高い肉になる。

牛にビールを飲ませマッサージをしてサシを出す Kobe Beefと長い間準冷凍庫に保管してBeefのうまさを引き出すU.S.
Prime!

ビフテキも進化している。

Mike Yamamoto