米国自動車市場は5年前から販売がどんどん伸びて景気の回復を牽引してきた。
2014年が押せ押せムードで達成した16,522,139台を2015年は17,470,499台とさらに超えた。
しかし今年は今まで以上の新記録は無理との見方が多い。
下記が各社の販売台数だ。
1。GM 3,082,366台 市場占有率 ————–17。6%
2。Ford 2,603,082 —————–14。9
3。Toyota 2,499,313 ———————14.3%
4. Chrysler 2,200,834 ———————12.6%
5. Honda 1,586,551 ———————9.1%
6. Nissan 1,484,918 ———————8.5%
7. Hyundai (韓国の現代自動車) 761,710 ————4.4%
8.KIA Motors (韓国で現代自動車傘下) 625,818 ——————3.6%
9. Subaru (富士重工) 582,675 ———3.3%
そして排ガスのスキャンダルに見舞われた VWはToyotaと世界一を争っている会社とは思えない349,440 台だった。
この数字は安い一般車でない高級車のMercedes Benzの 372,977 台や BMWの 346,023 台に近い。
さらに電気自動車のTesla は 23,650 台、ロールスロイス(BMWの傘下会社)は843台 そして
Bentley(その昔はロールスロイスの傘下だったがいまはVW の子会社)は2,686台を売り上げた。
気になるのはどのメーカーのモデルが売れているのか?ということだ。
1。大型トラック Ford Fシリーズ ーーーーーーーーーー−780、354台
2。大型トラック GM Chevy Silverrado ーーーーーーーー600、544台
3。大型トラック Cryslar Dodge Ram ーーーーーーーー−451、116台
※ 驚いたことに売り上げ No.1から3まで大型トラックだ。大型トラックは米国は輸入禁止品目で
利益率は通常の車の約倍というドル箱車種だ。外国のメーカーも米国で生産すればOKで外国勢では
ToyotaとNissanだけが米国で生産しているが生産が追いつかないので、売れに売れるが生産台数が米国勢に比べて少ないのが実情だ。
外国勢が米国に輸入禁止品目で文句を言わないのはこの車種は米国以外の国では売れない大きなトラックだからだ。
だから外国で作っても米国で売れないとどこにも売れない車なのでコストも高く、あまりにもリスクの多い車種だ。
ToyotaやNissanは米国では一流ブランドで生産設備も他の外国勢を圧倒しているので米国だけ売れるという
大型トラックにも手を出している。
4。 Toyota Camry ーーーーーーーーー−429、355台 (ほぼ毎年No.1のアメリカで圧倒的な人気車種)
5。 Honda Accord ーーーーーーーーー−355、557台 (アメリカで同じく圧倒的人気だがCamryがわずかに勝ち越している)
6。 Toyota Corolla ーーーーーーーーー363、332台
7。 Honda CR-V ーーーーーーーーー−345、647台
8。 Honda Civic ーーーーーーーーー−335、384台
9。 Nissan Altima ーーーーーーーー−333、398台
10。 Toyota RAV4ーーーーーーーー−315、412台
11。 Ford Escape ーーーーーーー−306、492台
12。 Ford Fusion ーーーーーーー−300、178台
※ 一般乗用車では日本勢が圧倒的で Fordだけがなんとかこのチャートに出ている。
Camryの人気は大変なもので今では年間40万台も売り飛ばす。外国勢の自動車メーカーの
大半はその会社の全車種の売り上げでもToyotaのCamry1車種にかなわない。
GMやChryslarでは大型トラックがあるから上位ランクでいる会社みたいだ。
もし米国で大型トラックの売り上げが一巡したらどうなるのか?頭が痛いと思う。
一般乗用車は競争が激しく利益率も低い反面米国市場以外でも多少の手直しで売れるという
リスク要因が低いモデルだ。
今年も車の販売は好調だが昨年までには行かずにだんだん少なくなってくるという見方が強い。